ℹ️当サイトには広告が含まれています
・1本の糸の中にも染まりにくい箇所があるの?
・身体のツボのような「効く箇所」があるって事?
・非結晶領域にだけピンポイントでアプローチできないの?
・TES資格には非結晶領域の勉強が必要?
繊維を科学する「結晶領域」「非結晶領域」について、元ヤン社長ならではのシンプル言い切り説明で解明していきます。
繊維の構造は、追求すればするほど科学や化学の分野に足を踏み入れる事になります。
あなたも「高分子」というレベルにまで自然に探究心が芽生えたら、もう元ヤン社長レベル^^
だからこそ、「無理やり勉強したって楽しいわけがない!」と元ヤン社長はおっしゃっております。
あなたの仕事や暮らしの中で、「もっと知りたい」という好奇心が湧いた時に、今回の「結晶領域」を深堀りしてもらう事が自然です。
繊維業界に40年身を置く社長が、今回も「ややこしい」繊維の知識をわかりやすく解説していきます。
高校生活に疑問?を感じ、北海道 十勝の畜産農家 宗像牧場に住み込んだプロフィールも良かったら読んでみてください。
\元ヤン社長のプロフィールはこちら😊/
繊維業界の中でも染色に関連する事が多い非結晶領域
繊維業界では「染色」や「着色」といった色に関する工程があります。
特に「染色」に関して、繊維に存在する「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」の考え方が関係してきます。
まずは、尾張繊維技術センターさんの資料を見てみましょう。
全ての繊維は、比較的規則正しく分子が配列した結晶領域あるいはミセルと呼ばれる部分と、比較的配列の乱れた非結晶領域部分から構成されています。
染色が起こる場所はこの非晶域であり、この部分に染料の染着座席が存在します。
参照:尾張繊維技術センター「 織物への構造色付与技術の検討」https://www.aichi-inst.jp/other/up_docs/no.234_02.pdf
繊維は「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」から構成されており、染色、つまり色がつくのは「非結晶領域部分」に対してである、という考え方です。
ラメ糸づくりで結晶領域はどう関係するか
意外かも知れませんが、「ラメ糸」「金銀糸」という繊維には基本的に「染色」という工程がありません。
あれ?色ついてるよ?と感じたあなた!素晴らしいセンスです。
色はついているのですが、「付け方」が違うのです。
ラメ糸の場合は「染色」では無く、「着色」という工程になります。
当社の着色工程の動画をご覧いただければわかりやすいと思います。
❌「染める」
⭕「着ける」
よく勘違いされるのですが、「染色」と「着色」は似て非なる工程です。
染色の場合は、色を「染み込ませる」イメージです。
着色の場合は、色を「置いて乾かす」イメージです。
ラメ糸づくりは着色=プリント(印刷)を行うと考えてもらってOKです。
ではなぜラメ糸は繊維なのに「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」が関係ない「着色」なのでしょうか?
それは、ラメ糸の着色工程(色をつける工程)のタイミングでは、まだ「繊維」になっていないからです。
先程の当社の動画の「着色工程」を見てもらったら、「繊維(糸)」ではなく「フィルム」の状態なのが見て取れると思います。
↓着色シーンから再生スタートされます
だからといって、ラメ糸は結晶領域と関係が無いか?というとそうも言いきれません。
なぜなら、「撚糸」の工程で細くスリットされたフィルム糸(ラメ糸)は別の糸と撚られて1本の繊維になるからです。
↓撚糸シーンから再生スタートされます
撚糸された状態のラメ糸は、「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」で構成されている事になります。
撚糸されたラメ糸を「染色」すれば・・・、もうおわかりですね。
「染まる」部分(結晶領域)と「染まらない」部分(非結晶領域)とが混在する事になり、これが品質にムラを生む要因になるケースが出てくるのです。
複雑な組み合わせにより、時にお客様のクレーム案件にもなり得るため、要因を追求する事もさる事ながら、携わった人たちのリテラシーが統一していない場合には、なかなか苦しい時間を過ごす事になります^^
TES勉強の「染色」とセットで結晶領域を知ろう
TES資格の勉強には「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」という深い部分まで覚えておく必要は無い、と元ヤン社長はおっしゃっております。
TESでは「染色」という工程をしっかり学ぶ必要が出てくるので、その際に、「非結晶領域部分」と「結晶領域部分」とがあり、「染色が起こる場所は非晶域だ」とセットで記憶定着しておくと、合格後の仕事に活かせる事間違いなし!
どうせ学ぶなら、セットにしてラクして賢くなっちゃいましょう。
では最後に、「染色」について、イメージしやすい描写をされている参考記事を掲載しておきます。
染色とは、染料溶液から染料が繊維表面に吸着し、繊維内部に拡散し、繊維と染料の間に働く力によって繊維表面および内部に止まることです。イメージしにくい方には、大根などを醤油などの調味料で煮て“おでん”をつくるというのはどうでしょうか。
参照:【連 載】 私の染色学(第5回)https://www.unii.ac.jp/seikatsubunka/journal/backnumber/23/23-7.pdf
繊維に色が染み込んで色がつくのが「染色」です。
この様子を、おでんの大根に味が染み込んで色が変わっている事とイメージしておけば、「染み込みやすい=非晶域」というのもすぐ思い出せるのでは無いでしょうか。
ラジオでは、難しい知識を楽しく柔らかくインプットできるよう、元ヤン社長が飾らない言葉でシンプルに表現しています。
ぜひ、繊維のバイブル「知っておきたい繊維の知識」テキストを音声で解説している、令和版「繊維の専門書オーディオコメンタリー」を、あなたの学びの一つに活かしてみてください。
🎧福永均の「繊維の泉」は【無料】ポッドキャストですぐに聴くことができます。
「知っておきたい繊維の知識」424シリーズとは?
繊維業界のバイブルとなる本書は、素材編、テキスタイル編、染色加工編、アパレル編の4つのジャンルをワンセットとして構成され、繊維業界の経験豊富な方々が丁寧にまとめられています。
(現在は524バージョンが販売されていますが、本ポッドキャストは424の内容を考察しています)
524バージョン発売に伴い、424バージョンが入手困難となっているので、下記Amazonサイトなどで探していみてください。
◆知っておきたい繊維の知識424 単行本(ソフトカバー)
画像をクリックするとAmazon.co.jpの該当ページへジャンプします。
結晶領域や染色がわかる泉工業ラジオはどんな人向け?
このポッドキャストを聴いた人はどんな変化があるか
毎週無料で配信されるポッドキャストを聴く事で、楽しみながら繊維の知識が増えていきます。
1ヶ月で4〜5個、1年で54個の繊維知識が増える事になります。
糸の流通からファッション販売の方々など、仕事場でポッドキャストで仕入れた繊維の知識の会話をする事により、自分が着実に成長している事を実感できます。
泉工業ポッドキャストはこんな人にピッタリ
・TESの資格をとりたい
・繊維業界の仕事をもっと楽しみたい
・ファッション業界をもっとワクワクさせたい
・多様性のセンスを磨きたい→素材にこだわりたい
・素材の知識で頭一つ飛び出したい
・一緒にものづくりできる仲間が欲しい
・取材ネタを仕入れたい
ラジオの感想、繊維の事を知りたい!など、ご相談は
泉工業株式会社のLINE公式アカウントからお友達登録してもらい、お気軽にご連絡ください。
その他、ポッドキャスト運営のレクチャーやラメ糸工場見学なども開催しております😁
世界の人々に「飾る」楽しみをお届けする
【泉工業株式会社】
◆福永均の「繊維の泉」
提供:泉工業株式会社
オウンドメディア制作:株式会社ジョブオール
プロデュース:きらてん